「大手キャリアと格安SIMのどちらを選べばいいだろう」と迷っている方は多いものです。
大手キャリアと格安SIMはどちらにもメリットと注意点があります。
本記事では、大手キャリアを選ぶ理由と選ばない理由、格安SIMの注意点について紹介します。
月額料金だけでなく、両事業者がもつ特徴を理解して後悔のない乗り換えにつなげましょう。
【この記事の一部はPRリンクを含んでいます。】
大手キャリアを選ぶ理由
スマホのユーザーが大手キャリアを選ぶ理由と選ばない理由は様々です。
情報通信会社によるとこのような調査結果が得られたこともあります。
ここでは複数のデータをもとに、スマホのユーザーが大手キャリアを選ぶ6つの理由についてご紹介します。
以前から契約しているから
大手キャリアを選んでいる理由に、「以前から契約しているため引き続き利用する」という意見があります。
キャリアを変更するには、解約手続きや携帯番号持ち運びの手続き、加入手続きなどを行なわなくてはいけません。
これらの手続きを手間に感じて、大手キャリアから違うキャリアに変更しない人がいます。
キャリア変更の前に、「自分にあったキャリアやプランを探すことが面倒だ」と感じている人もいます。
大手キャリアのサービスに大きな不満がない場合、今までどおり大手キャリアを使い続ける人も多いようです。
家族のキャリアと合わせたいから
「家族が利用しているキャリアに合わせたい」という人もいます。
大手キャリアは『家族割』というサービスのあるところがほとんどのため、家族で同じキャリアを契約していると月額料金や通話料金の割引が受けられるからです。
たとえば家族全員がソフトバンクを利用している場合に『新みんな家族割』というサービスを利用すると、1人あたり月額料金が毎月最大1,210円安くなります。
また『家族割引』利用で家族への国内通話とメールが24時間無料です。
大手キャリアは月額料金の高いイメージがありますが、家族割を活用することで安く利用できる場合も多いです。
サービスが充実しているから
大手キャリアはサービス内容が充実しています。大手キャリアが展開しているサービスの一例を紹介します。
- 店舗スタッフから対面でサポートが受けられる
- 大容量データ通信の料金プランが豊富
- 最新機種を割引価格で購入できることもある
- 光回線やでんきとの併用で割引されることがある
大手キャリアが選ばれる理由のひとつは、実店舗が多いうえ大容量データ通信プランが豊富なことです。最新iPhoneなどが割引価格で手に入りやすいのも魅力です。
ポイント利用や決済サービスの観点から利便性があるから
大手キャリアはクレジットカードを連携するとポイントが貯まりやすいうえ、キャリア決済サービスが利用できるという利点があります。
大手キャリアのクレジットカードは下表のとおりです。
キャリア名 | クレジットカード |
ドコモ |
|
au |
|
ソフトバンク | PayPayカード |
3大キャリアともクレジットカード決済で貯まるポイントの還元率は約1%です(一部条件あり)。
ゴールドカードの場合は10%以上になるケースもあります。
また、大手キャリアにはキャリア決済サービスがあります。
キャリア決済とは、商品の代金をキャリアの携帯電話料金とまとめて支払えるサービスです。
クレジットカードを作らない人は、キャリア決済を利用すると買い物する際の手間が省けます。
自宅のWi-Fiとセット割引があるから
大手キャリアは、自宅で利用できる光回線などのWi-Fiサービスを提供しています。
自宅用のWi-Fiとスマホをセットで契約すると割引が受けられることも多いです。
キャリア別のインターネットサービスと割引額を下表にまとめました。
キャリア | インターネットサービス | 割引サービス名 | 割引額 |
ドコモ | ドコモ光 | ドコモ光セット割 | 最大1,100円 |
au | auひかり、ビッグローブ光 | auスマートバリュー | 最大1,100円 |
ソフトバンク | ソフトバンク光
ソフトバンクエアー |
おうち割光セット
おうち割光セット |
最大1,100円 |
契約者1人あたりの割引額が最大1,100円のため、数名の家族と暮らしている場合はトータルでかなりお得になります。
通信が安定しているから
大手キャリアは自社で通信網を持っているため、通信が安定している傾向にあります。
通話品質はもちろんのこと、インターネットの通信回線の速度も安定しています。
ランチタイムや夜間などの混雑している時間帯でも速度は落ちにくいです。
通信速度が安定していると、スマホゲームでの操作性は上がりますし、読み込みが遅いことによるストレスも感じなくてすみます。
通信速度の安定は使い勝手のよさにつながるため、大手キャリアを選ぶ人が多いようです。
大手キャリアを選ばない理由
次に、スマホユーザーが大手キャリアを選ばない理由を5つ解説します。
月額料金が高いから
大手キャリアは前述したとおりサービス内容が豊富なため、月額料金が高いです。
大手キャリアの1GB以下の月額料金を紹介します。
キャリア名 | 月額料金(1GB以下) |
ドコモ | 4,565円 |
ソフトバンク | 3,278円 |
au | 2,178円 |
(2023年8月現在)
充実したサービスを求める人には問題のない月額料金でも、「最低限のサービスでいいので月額料金もおさえたい」人は、大手キャリアのサービス内容はオーバースペックになることがあるようです。
自分の利用状況にあったプランがないから
大手キャリアを選ばない理由として、「自分の利用状況にあったプランが少ない」ことがあげられます。
大手キャリアは格安SIMに比べて、データ通信の小中容量向けプランが少ない傾向にあります。
以前に比べると大手キャリアからも小中容量向けプランが登場していますが、格安SIMほどのラインナップではありません。
データ通信大容量のプランを契約している場合、データ量が余ることも考えられます。
スマホでデータ通信をあまりせず家族割や光回線割などとも併用しないユーザーは、利用状況にあったプランが大手キャリアで見つけにくい状況です。
料金プランが分かりにくいから
「大手キャリアは料金プランが分かりにくくて選びにくい」という人がいるようです。
大手キャリアは各種サービスに加入することで、割引価格になるものがあります。
たとえば、自宅の光回線や家族割引、初めてスマホを利用するユーザー向けの割引などです。
そのほか、スマホ端末を分割で購入した場合、割引プログラムが適用されるケースもあります。
これらのサービスの組み合わせ方によって料金が変わるため、「実質いくらの支払いになるのか分かりにくい」「割引サービスがなくなった後の月額料金がいくらか分からない」などという理由で、大手キャリアを敬遠している人がいます。
格安SIMの通信状況に不満がないから
大手キャリアを選ばない理由として、「大手キャリアに問題があるのではなく格安SIMで満足しているから」という声もあります。
格安SIMは大手キャリアから通信網を借りてサービスを提供していますが、混雑する時間帯を避ければ通信状況に不満を感じないケースも多いです。
これまで格安SIMの弱さとされていた電話通話料プランの少なさは、「通話かけ放題」プランなどの充実によってカバーされてきています。
格安SIMの通信状況に満足できることで、大手キャリアを選ばない人がいます。
格安SIMに慣れたから
格安SIMに慣れた人は、大手キャリアに戻らないケースがあります。
格安SIMは初めて契約する際にハードルが高かったとしても、一度使い始めたら使い勝手がいい場合も多いからです。
格安SIMは、大手キャリアと比べるとサービス名が知られていなかったり、サービスの運用実績が短かったりします。
そのため、初めて契約する人は格安SIMに不安を感じている場合もあるようです。
でも、格安SIMを実際に使い始めたら通信状況などに問題が起きることが少ないため、そのまま慣れて使い続ける人も多いです。
格安SIMに乗り換えない理由
大手キャリアを利用しているスマホユーザーが、格安SIMに乗り換えない理由を5つ紹介します。
サポート体制が充実していない
総務省の「携帯電話ポータルサイト」によると、格安SIMは店舗数が少なくオンラインでの対応がメインとあります。
大手キャリアは実店舗にて対面でサポートが受けられますが、格安SIMは実店舗が少ないため対面サポートを行なっているところはあまりありません。
なかには、実店舗がない格安SIMも多いです。
スマホ端末の操作に慣れておらず、対面でサポートを受けたい方にとって格安SIMのサポート体制は満足できないケースがあります。
通信速度が遅くなることもある
格安SIMは、大手キャリアから通信網の一部を借りてサービスを運営しています。
そのため、平日の昼間や夕方から深夜23時くらいまでの混雑する時間帯は速度が遅くなることもあります。
格安SIMの回線が混みあう理由は、高速道路の混雑状況にたとえるとイメージしやすいです。
大手キャリアの通信網は、複数の車線がある広々とした道路のようなもので、利用者が増えても混雑しにくいです。
一方、格安SIMは借りている狭い道路のようなもののため、利用者数が増えたら渋滞が起きやすくなります。
格安SIMの事業者によっては通信速度を計測し公開しているところがあるため、格安SIMの通信速度が心配な方は確認しましょう。
大容量のデータ通信は割高になることも
格安SIMで大容量データ通信を利用する場合、月額料金が割高になるところもあります。
たとえば、格安SIMのエキサイトモバイルの音声の「50GB」のプランは月額料金11,198 円ですが、大手キャリアのソフトバンクの「メリハリ無制限」は月額料金7,238円です。
さらにソフトバンクは、『新みんな家族割(3回線以上)』と『おうち割光セット』と併用すると月額料金4,928円で利用できます。
そのため、大容量のデータ通信をする人のなかには、格安SIMでなく大手キャリアを選んでいるケースがあります。
LINEのID検索不可
格安SIMはLINEのID検索が利用できないところも多いため、格安SIMを選ばないという理由もあります。
LINEのID検索とは、友だちのIDを検索することで手軽に友だち追加ができる機能です。
LINEのID検索を利用するには年齢認証する必要がありますが、年齢認証システムは、大手キャリアと連携して行なわれています。
そのため、ほとんどの格安SIMでは年齢認証ができず、LINEのID検索ができません。
格安SIMでLINEの友だち追加する際は、専用URLを発行して友だちに送るか、QRコードなどほかの機能を利用しましょう。
キャリアメールが有料になる
キャリアメールはキャリアのサービスのため、キャリアを解約すると無料では利用できません。
「キャリアメールでいろいろなサービスを申し込んでいるから、アドレス変更したくない」「無料のメールアドレスは迷惑メールと間違われることがあるから利用したくない」人は、格安SIMに乗り換えない場合もあります。
ただし、キャリアメールは有料のオプションを申し込めばキャリアと契約していなくても利用できます。
キャリアメールの有料オプションの月額料金は、3大キャリアとも330円です。
大手キャリアがおすすめの人
大手キャリアの利用がおすすめの人の特徴を紹介します。
店頭でサポートを受けたい人
大手キャリアがおすすめの人は「店頭でサポートを受けたい人」です。
大手キャリアはショッピングモールなどに多数の店舗を出店していますが、格安SIMは実店舗があまりありません。
格安SIMに電話で問い合わせる場合、無料のフリーダイヤルでなく有料のナビダイヤルであることも多いです。
「スマホ端末の操作が苦手」「分からないことはネットで検索するよりキャリアの担当者に相談したい」人は、大手キャリアのほうが安心して利用できます。
安定した通信速度を求めている人
大手キャリアは、格安SIMと比べて通信速度が安定しています。
時間帯を問わず終日安定した通信速度を求めている人は、大手キャリアの利用がおすすめです。
動画の視聴やオンラインゲームをするなら、安定した通信速度は必要です。
ただし格安SIMの通信速度は大手キャリアより劣りますが、使い方によってはそれほど通信の遅さを感じないこともあります。
LINEのやり取りやメールの送信などは、通信速度が上り1Mbps、下り128Kbps〜1Mbps出ていれば問題ないケースも多いです。
ガラケーやキッズケータイを利用したい人
ガラケーやキッズケータイを利用したい人は、大手キャリアのほうがおすすめできます。
大手キャリアは、4G対応のガラケーの新品や子どもが利用できるキッズケータイを販売しているからです。
キャリアのキッズケータイは学校や習い事などの通学に持っていけることが多く、以下のような機能がついています。
- GPS
- 防犯ブザー
- 子どもが帰宅したら通知が入る
- 高速移動時にメール送信
- 警備員がかけつけるサービス
- 耐衝撃、防水、防塵
- その他、様々な防犯機能
ガラケー利用者や子どもにキッズケータイを持たせたい方は、大手キャリアがぴったりです。
大手キャリアを理解して後悔しない乗り換えを!
大手キャリアが選ばれる理由や選ばれない理由などを解説しました。
大手キャリアは家族で利用しているユーザーから支持されています。
手厚いサービスや、光回線などとの併用で月額料金が割り引かれることが選ばれる理由です。
通信会社を選ぶ際は、月額料金だけで判断せず、総合的に考えてより自分にあったところを選ぶようにしましょう。